ノハナというフォトブックサービスを知っていますか?
無料で毎月1冊フォトブックがもらえるサービスです。
これは、mixiが提供しているサービスで、自分で作成した写真集を製本して届けてくれるサービスです。しかも無料で。無料になるのは、毎月1冊までですが、2冊目からは525円で購入することが可能です。送料も90円と安い。
1冊目が無料で2冊目から有料ですから、いまはやりのフリーミアムのモデルです。
フリーミアムをフォトブックで実現していることにより、他社のフォトブックサービスとは、差異が際立っています。
写真集を他のフォトブックサービスで作成すると2000円前後はかかるでしょう。
ノハナのサービスはどのような戦略のもとに、1冊目を無料で提供しているのでしょうか?ここで思考するフレームとしては、ブルーオーシャン戦略の戦略キャンパスを用いました。
比較する対象として、キャノンさんが提供しているフォトプレッソというフォトブックを用いました。このサービスは自分のパソコンを用いて画像を加工してアップロードすると、写真集を作成してもらい、自宅まで届けてもらえるサービスです。ノハナとの大きな違いは1冊目から、ちゃんとお金がかかることです。最低で1,700円くらいかかります。
では、さっそく下のグラフを見てください。
まずは価格です。
ノハナは1冊目が無料で、28ページです。それに対してフォトプレッソははじめらか有料で、40ページです。その価格は1,700円です。ちなみにノハナの2冊目は525円です。
価格だけみたら、無料のほうがいいに決まっていますね。
次にフォトブックを作成する手間をみてみましょう。
フォトプレッソは、基本的に自分のPCで撮った写真を編集し、それを専用サイトにアップロードすることにより作成します。
一方、ノハナは、スマートフォンを基本とするサービスです。これは、そのサービスがスマートフォンのアプリからしか申し込みができません。
この辺がカメラ会社が提供しているサービスか、ソーシャルネットワーク会社が提供しているサービスかの色が出ていておもしろいところです。
キャノンはカメラを作成している世界的なメーカーです。プロ用のカメラからコンパクトカメラまで扱っている、カメラ屋さんです。従ってその基本が写真を撮ることにあり、その写真をいかにかっこよく写真集にするかにこだわっているような気がします。
一方のノハナは、mixiが提供しています。このサービスを開発した理由は、忙しいママやパパがスマホで撮り貯めている写真を有効に活用したいという願いから開発したといいます。ママやパパは忙しいのでフォトブックまで作成する暇がないというのです。せっかくかわいい子供の写真があっても、それを見せる手段がない。これを手軽に見せる手段があったらと思い、これまでにない写真集作成サービスを開発したそうです。
ですから、根本的な思考として写真を見せたいというものはあるとしても、そこに至る過程においておいて大きくことなります。フォトプレッソはプロもしくはアマチュアのカメラマンが撮った、凝った写真集を作成するサービスです。しかしノハナは、忙しいママやパパが、思い出を写真集として作成するサービスなのです。
ですから、フォトプレッソは凝った作業をするために基本的にPCを必要とするのに対して、ノハナはスマートフォンからの作業となります。
編集作業の時間も、フォトプレッソは凝った写真集を作成しようとすると何時間もかかってしまいます。しかしノハナは、写真をアップロードすると写真集を自動的に作成してくれます。ですから、ノハナの場合はスマホで写真をとって、それをアップロードして、それを注文するだけとなり、PCに座っていろいろな編集を施すことなく、あっという間に写真集ができてしまうので、編集時間はほとんどいらないでしょう。
スマートフォンに保存してある写真の活用方法は非常に面倒な作業です。
私もスマフォで写真はよく撮るのですが、いつも撮りっぱなしでそれを何かにしようとはしません。
時間がないんですね。
しかし、ノハナのサービスを利用すれば、月1冊は無料なので、スマフォに入っている写真を写真集にでもしてみようかな、と思ってしまいます。
そういった意味で、ノハナのサービスは気軽です。
フォトプレッソを利用したことがあるのですが、やはりいいものを作成しようと、写真選び、写真の編集、構成、などものすごく労力がいる作業なので、ちょっと気合いがないとできません。さすが、世界のキャノン、カメラ命の人が多いプロの世界を感じます。
フォトプレッソは、基本的にオープンなサービスです。フォトブックを作成してそれを公開します。自分が撮った写真はすばらしいだろう、的な感じです。ですから、ランキングがあり、すばらしい写真をフォトブックにすることを求められているような気がします。
一方、ノハナは家族、友人をベースにクローズドな世界です。ママ、パパ、おじいちゃん、おばあちゃん、友人といった、範囲での写真の公開、編集になります。ここが、mixiって感じしますね。
ここからは、フォトプレッソとノハナの、その他の際立った特徴を見ていきましょう。
フォトプレッソは自分が公開したフォトブックを、他の人がいいあなと思ったら購入することができます。ちなみに私も作成していますが、売れた写真集は一冊もありません。ですから、プロを目指しているような方は、こちらで腕試しをすることも可能でしょう。実際に、人気がある方が出ているようです。
ノハナは、フリーミアムのモデルです。したがって、収益をあげなげれば、事業継続できません。2冊目から525円の売り上げがあがるとしても、1冊目が無料なので、2冊目の売り上げだけでは、赤字でしょう。そこでノハナでは、広告を発送したフォトブックに入れようとしています。DM事業ですね。また、プロのカメラマンを派遣して家族の写真をフォトブックにしようとしています。プロのカメラマンが撮った写真は、素人と全然違うので、ある層には一定の需要はあるような気がします。
ノハナとフォトプレッソというフォトブックサービスを見てきました。
やはり、ノハナはソーシャルネットワークを意識した作りになっており、その対象は家族や友人を対象にしています。一方、フォトプレッソはプロやアマチュアのハイエンドを意識したカメラ会社が作成したサービスとなっています。
したがって、これらはフォトブックでは競合するような関係ではなく、棲み分けがなされていると思いました。
参考リンク
ノハナ
http://nohana.jp
フォトプレッソ
http://wpb.imagegateway.net/top
日経新聞の記事
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO52341370S3A300C1000000/
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